富士市では、平成18年度から平成24年度の7年間で、市内の動植物12分類群190種を対象とした、動植物の生息・生育地の調査を実施しました。この調査は、環境教育や環境行政に役立てることを目的に、富士常葉大学及び専門知識を有する研究員の方々にも協力を得て行いました。
対象種は、海岸から低山地を生育・生息地とする身近な動植物の中から環境指標的な種を選定しています。そのため、富士市に生息、生育するすべての動植物を対象としたものではありません。また、富士山麓の貴重種は以下の対象種には含まれておりませんが、確認された場合は記録を残しています。
対象分類群 | 種数 | 対象分類群 | 種数 | |
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地衣類 | 13種 | 昆 虫 類 |
甲虫 | 5種 |
水生植物 | 16種 | ハチ | 8種 | |
植物 | 50種 | チョウ | 10種 | |
哺乳類 | 5種 | 水生昆虫 | 5種 | |
鳥類 | 10種 | ホタル | 3種 | |
爬虫類 | 10種 | トンボ | 12種 | |
両生類 | 8種 | セミ | 8種 | |
淡水魚類 | 11種 | 貝類 | 5種 | |
甲殻類 | 8種 | クモ類 | 3種 | |
合計 | 190種 |
調査方法は、各分類群毎に直接観察、トラップ法、ラインセンサス法、フィールドデザイン法等によって行いました。また、調査地は、調査員の経験により生息、生育が予測される場所を選定しています。
調査結果は、富士市域を500m×500m(2分の1標準地域メッシュ)の格子で区切り、対象種が確認された地点の格子を赤色で表示しています。
また、本調査とは別に多くの市民の方々に参加していただくために、毎年、市民参加型のキャンペーン調査を実施しています。平成18年度から地衣類、セミ、メダカ・カダヤシ・スクミリンゴガイ・タニシ、アリ、タンポポ、ツバメ、田んぼの生き物の調査を実施し、その結果についてもウェブサイト内で紹介しています。本調査によって得られた貴重種等の動植物の生息・生育地に関する情報は、今後の保護施策に役立てていきます。
小学校などでの総合的な学習の時間や学童保育やNPOの活動などで、調査対象種のページを印刷し、小学校や自宅などの周辺に生息・生育しているのか調べることができます。
競争している在来種と外来種の分布の比較や調査対象種の分布を見ることで、富士市の自然環境がおおよそどうなっているのかわかってきます。今後、さらに詳しく調べ、多くの人たちが調査に参加できるようになれば、富士市の自然環境が明らかになって行きます。